2021年01月04日
謹賀新年2021 & 飲んだ日本酒の紹介 【千代鶴・三笑楽・羽根屋・曙・黒部峡・一白水成】
今年も拙ブログをよろしくお願いします。
この正月、一昨年ツーリングに行った富山県の日本酒を飲んでました。
飲んだ順番に、受け売りで軽く紹介。 ()内は税抜き価格
画像出典元:かなり昔の富山県酒造組合HPの蔵元紹介パンフより。 現在は組合から抜けたり廃業した蔵も含まれます
(2021.2.29追記)更に飲んでみました。 【富山】 正月の日本酒の続き。 【立山・満寿泉・幻の瀧・林】
この正月、一昨年ツーリングに行った富山県の日本酒を飲んでました。
飲んだ順番に、受け売りで軽く紹介。 ()内は税抜き価格
画像出典元:かなり昔の富山県酒造組合HPの蔵元紹介パンフより。 現在は組合から抜けたり廃業した蔵も含まれます
(2021.2.29追記)更に飲んでみました。 【富山】 正月の日本酒の続き。 【立山・満寿泉・幻の瀧・林】
千代鶴(ちよづる) 純米吟醸(¥1,750 alc15%) 千代鶴酒造(滑川市)
山田錦を使用、上品な吟醸香ときれいな味わいが特徴。(HPより)
家族経営で蔵全体の生産量も100石と少ない為かネット通販なし、特約店も富山6店、石川1店、東京1店のみ。
こうして他県民のブログに出てくること自体、かなりレアじゃないかと。
「辛口ならコレをお薦めしています、刺身に合う」と酒屋。
下調べでは「開栓直後はセメダイン臭とアルコール感が強い、2日後がベスト」とのことで、前日に開栓。
45℃くらいで頂きましたが、熱燗苦手の俺でもスイスイ飲めてワロタ。 とにかくシンプルな辛口でキレがいい。
こういう、作り手のコンセプトが明確に伝わってくる酒っていいね。
三笑楽(さんしょうらく) 純米生貯蔵酒ナイン(¥1,714 alc15%) 三笑楽酒造(南砺市)
精米歩合の異なる複数の純米生酒をブレンドしたものらしい。 一般的な4合瓶ではなく5合瓶(900ml)だからナインだってさ。
世界遺産に登録されている、五箇山の集落にある酒蔵。
「おせちのような、味付けの濃い料理に合う銘柄を」と尋ねたら、これを薦められた。
富山の日本酒の殆どが「おらが村の海産物に合うように、淡麗辛口」を標榜しているのに対し、
ここは芳醇辛口で、山菜等アクの強い料理や保存食の濃い味付けにも負けないコクが特徴とのこと。
それもそのはず、記事トップ画像で一目瞭然。 ここは県内の他の酒蔵と一線を画す、内陸の豪雪地帯。
確かに濃旨、冷やでおせちと良く合いました。 5合でこの値段なのも地味に嬉しい。
ただ、生貯蔵酒という少しだけ特殊な酒だから遊び心なのだろうが、普通に日本酒っぽいラベルでいいのに。
親しい人の慶事に贈りたくなるような名前なんだから、ドーンと書いてほしいな。
羽根屋(はねや) 煌火(きらび)純米吟醸生原酒(¥1,528 alc16%) 富美菊酒造場(富山市)
羽根屋の看板商品。ほとばしる美味しさをそのまま詰め込んだ生原酒です。
夜空を彩る花火の艶やかな煌めきのようでいて、海のように包み込む。心に染み入るように優しいお酒です。(HPより)
以前は酒造場の名前でもある「富美菊」という酒のみだったが、新たに立ち上げたブランドが「羽根屋」。
このブランド全ての銘柄が、大吟醸クラスのリソースをかけて作られているそう。
フランスの日本酒コンクールで賞を取りまくったとか、JAL国内線ファーストクラス搭載酒になったとか、
地元の土産物屋で普通に並んでいると同時に世界で戦ってるブランドです。 今回唯一の指名買い。
親父、称賛。 昔ながらの酒が好きかと思っていたが・・・先日までの俺と同じく、生酒が初めてだったからかもしれん。
最初、三笑楽の後に飲んだので水っぽく感じたのはご愛敬。 それと、おせちと合わせると超絶に浮くw
食前酒か、食後のデザートとしてなら好適。 肴なしでもスイスイ飲めるので飲みすぎ注意!
ちょっと期待しすぎたかな、生酒カテゴリで比較すれば鳥海山や安芸虎の方が俺は好き。
まぁトータルで言えば、このレベルの生酒が通年製造・販売されてるのは、控えめに言って反則だと思う。
曙(あけぼの) スターアケボノ純米大吟醸(¥2,000 alc15%) 高澤酒造場(氷見市)
「往年」をテーマに、どこかほっとするような、なにか思い出すような、そしてまた飲みたくなる、そんなお酒にしあげました。(HPより)
大相撲の曙関が横綱昇進パーティーで鏡割りをした際の銘柄。 お祝いに酒蔵が送ったのかな。
その様子がTV放映され、知名度が上がったそうで。 樽酒なんて数万円ですからね、
プラス宣伝料を払ったとしても費用対効果は抜群だったでしょう。 「氷見の魚に合う食中酒」がコンセプトとのこと。
薦められるままに買ったが、これをパケ買いする飲兵衛はいないだろ・・・w
OKする前に調べなかった自分が悪いが、酒屋で並んでても、視界に二度入ることは無かろう。
公式でも正規の「曙」シリーズではなく、「その他商品」に入っている辺り、怪しいと言わざるを得ないのだが・・・
などと不安ばかりの中での開栓。 正直、今回の中で一番印象が薄い。
「うん、よく精米してる(40%)から雑味なくスーッと飲めるね」 以上の感想が出てこなかった。
(この酒に限らず、純米大吟醸なんて個性を出し難いから当然とも言えるが。)
5本の中で一番高かったんだけどなー、「邪魔をしない食中酒」と擁護できなくもないが・・・
黒部峡(くろべきょう) 純米吟醸富の香(¥1,450 alc15%) 林酒造場(朝日町)
立山連峰より流れる雪解け水を使用。 爽やかなキレの良さとほのかな香りがあり、風味が豊かでリーズナブルな価格です。(HPより)
富山で最も歴史のある酒蔵、創業1626年頃だから400年か。
富の香(とみのかおり)ってのは、富山県で開発された新進気鋭の酒米ね。
地味っぷりからして、富山東部民の普段飲み用と推測していたが予想通り。
辛口だが甘さも感じる。 少なくとも、うちの超地元銘柄『燦然』よりは上ですな。
HPにも載っていない別ブランド『林』が評判いいみたいね。 酒米違いで6、7種類あるっぽい。
岡山県産『雄町』もあるので、地元応援と兼ねて機会があれば。
個人的には、
飲む前の期待値 羽根屋>千代鶴>三笑楽>曙≧黒部峡
飲んだ後の満足度 三笑楽≧千代鶴>羽根屋>黒部峡>>曙
でした。
我が家は「たとえ正月でも、昼は飲まない」という暗黙の了解があるので、
元日・2日の朝・晩、それと3日の朝の計5回で親父と2人で飲み切りました。 しばらく日本酒はいいです(笑)
おまけ。 富山じゃないけど正月までの繋ぎにチビチビやってました。
一白水成(いっぱくすいせい) 槽垂れ 純米吟醸生原酒(¥1,400) 福禄寿酒造(秋田県南秋田郡) alc16% 日本酒度+2.0 酸度1.4
以前は酒造場の名前でもある「福禄寿」という酒のみだったが、2006年に新たに立ち上げたブランドが「一白水成」。
「白い米と水から成る一番旨い酒」の意味だそうで。
聞き慣れない「槽垂れ(ふなだれ)」=しぼりたて≒生酒 ね。 蔵元と親交の深い山形県「十四代」高木酒造の許可を頂いた呼称だそうです。
開栓日、なんか酒粕というか糠臭い。 若干甘め、複雑な味(コクってやつ)の部類だろう。
2日目、臭いは気にならなくなり味も落ち着いたが、複雑なのは自分の好みじゃないんだろうな。 もっとシンプルな味がいいわ、1つ勉強した。
うどんも、こうやって数を重ねて評価軸ができて、相対評価できるようになったしな。 地酒に強い居酒屋があれば、色々飲んでみたいのぅ
以下、購入の経緯メモ。
下調べの後、富山在住の飲兵衛ブロガーさんに以下条件でアドバイスを請う。
・やや辛口寄りを買うことが多いが、極端に甘くなければ可。フルーティさは無い方が好み
・おせち料理(=味付けが濃い)に合うと嬉しい
・ブランドに興味なし
・4合瓶で¥2500以下
・すぐ飲み切るので、飲み飽きる味でも可。たまには生酒もいいかも
・今のところ、羽根屋の純米吟醸煌火生原酒、立山の純米吟醸あたりが候補
・いま候補の2銘柄は、飲みやすいので間違いない選択だと思う。
・若鶴の苗加屋シリーズや、もうちょっと個性のある三笑楽の純米あたりが個人的おすすめ。味の濃いおせちにも合うと思う。
実際の味わいなんて、酒屋さんか飲んだことのある人に聞くしかないからね。
本当に有難いアドバイスでした。 これを踏まえ、富山市の酒屋さんに
・予算2万円(送料込み)、4合瓶で最大5本、1本は生酒、残りは燗向きで。
・それぞれタイプの異なるものを。どっしり、軽い、華やか、地元民の普段飲み、来客用のちょっといい酒、etc
・1本くらいならフルーティだったり、やや甘口でも可(おそらく羽根屋の生酒になるのかな、と)
・辛口だと千代鶴をおすすめしています。
・味の濃いおせちなどは、おすすめしていただいた方と同じで三笑楽が思い浮かびました。
・羽根屋は今の売れ筋。 富山を代表するフルーティーなお酒です。
という事で、今回の5本と「立山 純米大吟醸 雨晴」(¥2,555)の計6本をオススメされ、大吟醸2本もイラネ、という判断で立山を却下。
当初の予定通り、純米吟醸に替えてもらってもよかったのだが、去年2.2升用意して6合ほど余ったので。
(新潟の酒が自分の口に合わなかったのが大きい) 富山の日本酒のザ・スタンダード = 立山 らしいので、いずれ飲む機会はあるだろう。
そういえば「アル添酒NG」とは言ってないが、全て純米だな。
(今日日、アル添論争が只の感情論というのは分かっちゃいるが・・・メーカーも三増酒で
純米主義者=アンチアル添を増やしちゃったね。 醸造アルコールだと悪酔いする人がいるのも確かだし)
それにしても、送料・箱代・その他もろもろ高く見積もって合計¥3,000としても、残額で相当値の張る銘柄も買えるよね(汗)
去年、八海山・越乃寒梅・久保田万寿の飲み比べ3本セットで¥11,000したから、しゃーない。
ミーハーな条件だったら「勝駒」「満寿泉」「幻の瀧」なんかが入ったことでしょう。(勝駒は在庫があっても一見客には流さないだろうが)
そう考えたら、特約店でしか買えない千代鶴を推してきたのは意外だった。 条件を具体的に書いたのが良かったのかも。
自分で個別にネット購入するより、「町の酒屋」で一括購入することのメリットとして
・送料が安くつく
・知識が豊富
今回はこれが一番大きい。 「おせちに合う」 なんて初見じゃ無理だし、色んなタイプで揃えたかったので。
自分でスペックだけ見てバラけさせたつもりでも、実際の味わいが被る可能性が高い。
おかげで味わいも蔵の立地もバラバラ、選ぶ楽しみがあるのはいいね。
・品質管理がしっかりしている(はず)
ネットでポチったら、劣悪な環境(直射日光、常温放置etc)で保管された酒を掴まされる可能性が高い。
ここは地域に根を張って、長く経営している店の信用を買いたいところ。
※ もちろん、遠方の一見客だから掴まされる可能性もゼロではないのは承知の上。
・その地域の傾向を垣間見ることができる
前述の通り、富山は海産物に合うよう淡麗辛口が圧倒的主流とのこと。
デメリットは、店員の人となりが分からないこと。
今回の酒屋さんは、まあ普通に対応してくれました。 在庫処理としか思えない銘柄も入ってないし。
言いたい事があるにはあるが、いきなり問い合わせてきた遠方の一見客に対する酒屋の対応なんて
こんなもんだろう、と自分に言い聞かせて胸にしまっておきます。
日本酒の楽しみ方として、今回みたいな「県指名買い」もアリかと。
全国で戦える銘柄を持たない県民として、有意義な正月でした。
まあ今回を機に、他県の地酒に力を入れている近所の酒屋も発掘したし、来年からは近所で十分だな。
羽根屋 純米吟醸煌火生原酒
三笑楽 純米吟醸
黒部峡 純米吟醸55
純米吟醸飲み比べ&グラスぐい呑みセット(黒部峡・三笑楽・立山・剣岳・幻の瀧)
この記事へのコメント
>あるのん さん
あんまり蘊蓄を並べると、ラーメンハゲ風に言えば
「ヤツらは日本酒を呑んでるんじゃない、情報を呑んでるんだ」
になってしまうので、書き過ぎたかなと自分では反省してます。
秋田と富山で悩んだんですけどね、東北の酒はこっちの酒屋でも取り扱い多いので。
えらい『林』推しですね。 でも(容量的に)まずは『恵田』かな~ 今度の予約時期には忘れてるでしょうけど・・・
また富山に行った時は、だいてください(笑)
あんまり蘊蓄を並べると、ラーメンハゲ風に言えば
「ヤツらは日本酒を呑んでるんじゃない、情報を呑んでるんだ」
になってしまうので、書き過ぎたかなと自分では反省してます。
秋田と富山で悩んだんですけどね、東北の酒はこっちの酒屋でも取り扱い多いので。
えらい『林』推しですね。 でも(容量的に)まずは『恵田』かな~ 今度の予約時期には忘れてるでしょうけど・・・
また富山に行った時は、だいてください(笑)
Posted by diamond_gust at 2021年01月05日 21:03
この度は富山の経済を回していただきありがとうございました!
こういうお酒の買い方もあるのかととても興味深く拝見させていただきました。
とてもご丁寧なお酒の解説で、知ってる者からするとおもわずニンマリしてしまいますね(笑)
今度よかったらぜひ「林」も試してみてください。
林は千代鶴と同じく特約店のみの販売ですが、千代鶴が買える酒屋さんなら取り扱っているはずです。(年末は富山の酒屋の通販とは思ってなかったのでオススメしそびれました)
林は黒部峡の別ブランドのお酒ですが、とても同じ蔵のお酒とは思えない豊かな味の個性的なお酒です。
種類は純米吟醸オンリーなのですが、酒米が山田錦・五百万石・出羽燦々・美山錦・雄山錦など様々な種類があるので飲み比べるのも楽しいです。(現在は1800mlのみ販売)
Googleで「富山県最年少杜氏・林秀樹氏」で検索してみてください。
ではでは~!
こういうお酒の買い方もあるのかととても興味深く拝見させていただきました。
とてもご丁寧なお酒の解説で、知ってる者からするとおもわずニンマリしてしまいますね(笑)
今度よかったらぜひ「林」も試してみてください。
林は千代鶴と同じく特約店のみの販売ですが、千代鶴が買える酒屋さんなら取り扱っているはずです。(年末は富山の酒屋の通販とは思ってなかったのでオススメしそびれました)
林は黒部峡の別ブランドのお酒ですが、とても同じ蔵のお酒とは思えない豊かな味の個性的なお酒です。
種類は純米吟醸オンリーなのですが、酒米が山田錦・五百万石・出羽燦々・美山錦・雄山錦など様々な種類があるので飲み比べるのも楽しいです。(現在は1800mlのみ販売)
Googleで「富山県最年少杜氏・林秀樹氏」で検索してみてください。
ではでは~!
Posted by あるのん at 2021年01月05日 18:49
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